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とびひ紅斑—伝染性膿痂疹後の紅斑性病変—

とびひ紅斑—伝染性膿痂疹後の紅斑性病変—

病気

伝染性膿痂疹の治療中に抗生物質のみでは反応しないかゆみの強い紅斑性病変が生じることがある。紅斑性病変の中央にびらん面があり、周囲にはやや浮腫性の紅斑を伴うもので、時には虫刺症を疑わせ、また多形紅斑様でもある。本症は成書にはあまりくわしくは記載されていないので、診断に戸惑うことがある。
しかし本症は1973年、藤田恵一先生により『紅斑性落屑性伝染性膿痂疹』の名称で報告されており、1995年、土岐真理子先生らも本症と思われる15例を記載し、びらん面から黄色ブドウ球菌が90%分離されることからその発症機序として菌体あるいはその産生物にたいするアレルギー反応の関与を想定している。このような紅斑性病変はとくにアトピー性皮膚炎の患児に生じた伝染性膿痂疹の治療中にみられるようである。本症は日常よるみられる病状であり、他科からの診断依頼も多いことからむつかしい病名ではなく単に『とびひ紅斑』と呼ぶのはどうであろうか。治療として抗生物質内服とステロイド内服を併用して行うと経過がよいようである。外用は中央のびらん面には抗生物質軟膏、周辺の紅斑にはステロイド軟膏を塗布するのが理想であるが、全面に抗生物質含有ステロイド外用剤の塗布でもよいようである。

(荻野篤彦)

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