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最近のアトピー性皮膚炎治療薬に関する報道について

最近のアトピー性皮膚炎治療薬に関する報道について

プロトピック軟膏を使用した患者(0~16歳)で、リンパ腫、白血病や皮膚がんの合併がみられたとの、米食品医薬品局(FDA)小児科諮問委員会の報告が、最近日本で報道されました(2010年3月21日)。
これは、同委員会が2005年に発表したリンパ腫、皮膚がんの合併症例報告の続報であり、プロトピック軟膏のがんや感染症の関与について、新たな知見が加わったわけではありません。

日本皮膚科学会のアトピー性皮膚炎診療ガイドライン(2009年)には、その2005年のFDAの報告もふまえた上で、「タクロリムス軟膏の安全性に関しては、有害事象として一過性の皮膚刺激感がほぼ全ての研究結果により示されているものの、3 年以上の長期使用の結果からも重篤な全身性有害事象はなく,安全性に大きな問題はないものと考えられる」と記載されています。

文献上でもプロトピック軟膏を使用中の患者さんにリンパ腫、皮膚がんが見られたという報告はありますが、いずれもプロトピック軟膏との因果関係は明らかではなく、また、これらの腫瘍が自然に発生する確率と比べて頻度が高いわけではないとされています。

プロトピック軟膏はこれまで通り、2歳以上の患者には添付文章に沿って適正に使用する限り安全性に大きな問題はないと考えられます。
なお、これらの点に関する日本皮膚科学会の見解がホームページに詳しく出ておりますので、そちらも参考にしてください。

[日本皮膚科学会アトピー性皮膚炎診療ガイドライン(2009年)]
http://www.dermatol.or.jp/medical/guideline/pdf/119081515j.pdf
[日本皮膚科学会]
http://web.kanazawa-u.ac.jp/~med24/atopy/tacrolimus.html
[タクロリムス外用療法]
http://www.kyudai-derm.org/atopy_ebm/05/kranke.html

以下報道内容(共同通信より)

【ワシントン共同】日本でも販売されているアステラス製薬の「プロトピック」(一般名・タクロリムス水和物)など2種類のアトピー性皮膚炎治療薬を使った米国の子どもが、2004年1月~09年1月の5年間に計46人、白血病や皮膚がんなどを発症し、このうち4人が死亡したと米食品医薬品局(FDA)に報告されていることが21日分かった。
 適応対象外の子どもに使ったり、長期間使い続けたりするなど、使用法が守られていないケースが多いという。因果関係は明確ではないが、発がんと関連する恐れがあるとして、FDAは近く専門家会議を開き、薬の添付文書改訂を検討する。
 もう一つの薬はノバルティス社(スイス)の「エリデル」(日本未発売)。いずれも塗り薬で免疫抑制作用がある。
 FDAによると、0~16歳でプロトピックを使った15人、エリデルを使った27人、両方を使った4人の計46人が皮膚がんやリンパ腫、白血病を発症した。
 うち50%は、添付文書で「使うべきでない」とされている2歳未満。41%は、安全性が確立していないと注意喚起されている1年以上の長期使用。プロトピック使用後にがんになった子どもの26%は、有効成分濃度0.03%の子ども用ではなく、濃度0.1%の大人用を使っていた。
 FDAは05年にも、発がんと関連する恐れがあるとして、使い方に注意するよう呼び掛けている。
2010/03/21 16:11 【共同通信】

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