床ずれ(褥瘡)を防ぐためにできること
褥瘡(じょくそう)、または床ずれは、長時間同じ姿勢でいることによって、皮膚やその下の組織が圧迫され、血流が障害されることによって生じる傷です。特に、骨が突出している部分(例えば、かかとや仙骨など)で発生しやすく、これにより皮膚が壊死したり潰瘍が形成されたりします。
褥瘡の主な原因
褥瘡の主な原因は、以下の二つです。
- 動けないこと:
自力で体位を変えることができない場合、圧迫が持続し、血流が阻害されます。これは、病気や怪我、または高齢による運動能力の低下が原因であることが多いです。 - 痛みを感じないこと:
知覚麻痺や認知症などにより、圧迫による痛みを感じない場合、体位を変えることができず、褥瘡が発生しやすくなります。
褥瘡は、深さや組織の損傷の程度に応じて、以下のように分類されます。
ステージ1:
皮膚の赤みが持続し、圧迫を解除しても消えない状態。
ステージ2:
皮膚の一部が剥がれたり、水疱ができたりする。
ステージ3:
皮膚の全層が失われ、皮下組織が露出する。
ステージ4:
皮膚と皮下組織が完全に失われ、筋肉や骨が露出する。
褥瘡を予防
褥瘡を予防するためには、以下の対策が重要です。
- 体位変換:
定期的に体位を変えることで、圧迫を軽減します。特に、寝ている間や座っている間に意識的に動くことが大切です。 - 皮膚のケア:
皮膚を清潔に保ち、保湿を行うことで、皮膚のバリア機能を維持します。 - 栄養管理:
適切な栄養を摂取することで、皮膚の健康を保ち、回復力を高めます。
褥瘡の治療は、まず圧迫の原因を取り除くことが最も重要です。これには、体位を変えることや、適切な医療機器を使用することが含まれます。また、傷の状態に応じて、外用薬やドレッシング材を使用することが必要です。褥瘡が悪化する場合、感染症のリスクも高まるため、早期の対応が求められます。